父親の祖母が亡くなったと母から電話がありました。
93歳だったそうですが、亡くなった顔は穏やかだったと後日母から聞きました。
祖母に最後に会ったのは我父の葬式の時なので、今から7年前になりますが、
父親兄弟の仲が良くなかった事で父方従兄弟達や親戚との交流は殆どなかった我が家。
（母方は気持ち悪い位に仲良い親類関係があり、非常に対照的な肉まん家）
我の父が亡くなるまで、我は父と口も聞けない位に父親と仲が悪く、
父が亡くなるまでの8年位の間、殆ど話しをした事が無かった。
よくある話で子供が親に反発・・・・というのではなく、子供の頃から昔から理不尽に怒られたり、
物心付いてなかった子供時代は意味不明に父親の存在を確認させられたり、
何か父親が間違った事をしても、謝罪の言葉を聴いた事は一度も無く、
何処かに遊びに行っても其処で怒られて泣いていた事しか覚えてなかったで
父親との良い思い出が全く思い出せない我。
きっと楽しかった思いでもあるはずですが、面白くないネタが多すぎなのか？
父親と一緒に笑っていた記憶も全く思い出せないのです。
お酒を飲んで暴れるとか、外に女の人を作るとかでもなく、外っつらだけは悪くなかったから、
私が悪いんだろうと思われそうだけど、本当に笑った記憶が思い出せない。
小さい頃から良く神様にこんな質問をしていました。
何で私に優しい父親をくれなかったの？
世の中不公平です。神様は意地悪なんですか？
勿論、返事はありません。
大人になった我は単純に親としても、人としても父親の事が好きでなく、
単純に彼と同じ空気を吸うのが辛いと感じ、彼の側には寄り付かなくなり、
最終的には何も話が出来なくなった。
そして2001年の冬、父親は急死した。
父親が亡くなって暫くは何の感情も無かったけど、暫くして急にいっぱい泣くようになった。
意味は分からなかったけど、毎日夜になると涙が止まらず独りで良く泣いた。
そんな生活が嫌だったのもあり、生活をいっぺんさせようと思ったりもあったのが、
上海へ来た一つの理由だったりするのかも。
上海では毎日が楽しい留学生活だったけど、それでも夜独りになるとよく涙が出た。
父が無くなって数ヶ月が過ぎ、彼が如何してあんな性格だったのかを考えるようになり、
父親の母である祖母や兄弟は性格があまりよくなかったり、
兄弟も仲が悪かったりだっただった背景から考えると、
性格の悪い（？）両親や兄弟を持った父は愛情の無い家に育って、
愛情不足だったんではないのだろうか？そんな風に思い始めた。
単純に子供の頃から愛情不足で育って自分の愛情が満たされてないから、
自分の子供に愛情を与える方法も分からず、
自分の存在を子供から認めてもらう事でしか自分の存在価値を認める手段が無かった？
それが我父だったのではないのだろうか？
そう思うと、あの時に優しくしてあげたらよかったなぁと違う後悔の日が始まって、
今まで意味不明に出た涙でしたが、今度は違う意味の涙が出る日が又半年位続きましたが、
此方も人間だし、普通に子供として親から愛されたいと思うのは普通の感情で、
我も悪くは無かった、仕方が無かったと。。。
暫くして・・・やっと自分も許せた。
そして2回目のお盆の時、丁度上海から日本に戻りっていた時のこと、
父親が我の夢に出てきた。
父は号泣しながら、何度も『御免な！御免な！！』と私に繰り返し謝っていた。
生まれて初めて聞く父親からの謝罪の言葉だった。
初めて見る父親の夢で、目が覚めると私も泣いていた。
お盆で此方に戻ってきて、私に一生懸命メッセージを伝えてくれたのかもと思うと、
仏前に手を合わせて私も御免とひたすら父に謝罪して泣いた。
其の後、あまり泣かなくなった。
本当に泣かなくなった。
でも其の後、今後は違う感情が芽生え、愛情不足だった父親の事が可哀想になり、
如何してコンナ愛情不足に育ててしまった？
そんな祖父祖母に対する思いが強くなって、
変な連鎖だけど祖父母の事も不憫に思うと同時に何か嫌い・・・という感情が芽生えたのかも。
でも祖母が亡くなったと訃報を聞き、祖母に対しても申し訳ない気持ちでいっぱいになり、
もう誰も嫌いになる人は私の中にはいなくなりましたが、同時に大事な人が居なくなってしまった。
そう思うと・・・涙が又止まらなくなった長い束縛の悪の連鎖から解放された青明節の晩。
其の晩、亡くなった祖母と祖父が夢に出てきた。
夢の中で我の妹と共に皆で凧揚げをしていだけで、何も話してないけど、ホノボノと楽しい夢だった。
亡くなった祖父祖母の夢を見たのはこれが初めて。
最後に逢いにきてくれたのでしょうか？
きっと逢いにきてくれたんだと思います。
言葉は無かったけど、逢いにきてくれて嬉しかった。
でも・・・おばあちゃん孝行は全然出来ず、本当に御免と伝えたい。
私は夢を多く見る人ではありません。
色んな人が夢に出てくることもないし、逢いたい人に逢えた事も殆どありません。
そんな我がお盆や中国のお彼岸である青明節に普段夢で見たことが無い祖母や父親が夢に出てきたのは
単なる偶然かもしれませんが、私にとっては偶然ではなく、必然な事だったと思っている。
不思議な経験からですが、私にとって先祖の人達を敬う日である事に変わり、
同時に今の自分が此処に居る事を感謝させてもらう、そんな日となった。
どこの御家も他人からは見えない色んな家族ネタ満載だと思いますが、
これって逃げることが出来ない各自に与えられた人生の課題なんではと思う最近。
自分がこの家族に会ったのも偶然ではなく、そこから何かを得るための家族だったのだろうと。
その答えが少し見えて、自分に必要なものが分かった時、
我は相方に出会えたような気がする。
初めて与えらた家族ではなく、自分で選択出来る唯一の家族となる相方に。
そんな相方と出会えたことも偶然ではなく、我にとっては必然な事だったんでだろうとも思う。
おばあちゃん、天国でお父さん（我父）に会えて、楽しく笑ってる？
きっと笑ってると思いますが、最後に逢いにきてくれて本当に有難う。
父さん、おばあさんに逢えましたか？
私は未だ未だ其方へは行きませんが、其の日が来た時には笑顔で父さんに逢えると思います。
其の日は皆で笑って逢いましょう！！
上海で働く肉まんの徒然草 